あなたの周りに、病的なほど「真似」をしてくる人っていませんか?
人は好意を持った相手の真似をするという「ミラーリング効果」という心理が働くことが実証されています。
しかし、それは別に病的なほどでもありません。
もし「ちょっとこの真似方は…」と違和感を覚える人がいるのなら、その人は自己愛性パーソナリティ障害を抱えているのかもしれません。
このページでは、実際に自己愛性パーソナリティ障害のターゲットにされた私が、どんなふうに真似をされたかを記載します。また、その対処法についても考えました。
真似されて嫌な思いをしている方は、ぜひ参考になさってみてください。
ターゲットを真似してくる自己愛性パーソナリティ障害

自己愛性パーソナリティ障害を持つ人は、標的にした人の言動などを真似してくる傾向が強いそうです。
その真似の仕方が尋常じゃないというか、「好きだから真似したい☆」レベルの真似の仕方じゃないんです。

実際に自己愛性パーソナリティ障害の母親を持つ私も、かなり真似されていました。体験談を交えつつお話ししてきます。
持ち物を真似する
自己愛性パーソナリティ障害を持つ人は、持ち物を真似してきます。
私の場合ですが、バッグや服装をよく母親から真似されていましたね。
私が新しいバッグなどを購入すると、すぐに気づきます。(この気づきが鋭いのも自己愛性パーソナリティ障害の特徴かもしれません)
そして「それどこに売ってたの?どこで買ったの?」などと質問責めし、「私も欲しい!」などと言い出します。
なので、母親には新しいバッグや服装などを見せるのが嫌になりました。絶対に真似してくると分かってしまうからです。
後ほど詳しく書きますが、デジタルウォッチの装着も真似されました。



母親とお揃いになってしまったショルダーバッグなどは全て処分しました。
発言を真似する
自己愛性パーソナリティ障害は発言を真似します。
特に真似されやすいのが「口癖」ですね。
私は堅苦しい話し方をすることが多く、母親は軽いノリの話し方なので、口調を真似されることはなかったですが、他の身内は真似されていましたね。
「明らかさぁ〜〜」とか、「それってもしかしてぇ!」とかです。
聞いてる身としては「あ、この口調あの人の真似だな」と分かって、気恥ずかしいというか、明らかにバレバレな真似なのでちょっと・・・とドン引きしてしまうのですが、本人は気づいていないようです。
態度や行動を真似する
自己愛性パーソナリティ障害は態度や行動を真似します。
私はこれを真似された回数が圧倒的に多かったです。例えば、
- 読書の真似
- パソコンをする真似
- デジタルウォッチをつける真似
- 部屋でご飯を食べる真似
- ペットボトルで飲む真似
- お酒を飲む真似
- 怒る真似
- 物件を探す真似
書き出してみるとすごく多いですね・・・。(自分でもびっくり)
少し細かくなってしまいますが、どのように真似されたか書かせてくださいね。
読書とパソコン、デジタルウォッチの真似
母親は読書もパソコンも全くしないアナログ人間なのですが、私が読書したりパソコンを熱心にやっていると、いつの間にか真似してきました。
ただし、自己愛性パーソナリティ障害は完全にその人をコピーするわけではないので、普段から読書やパソコンをしない人間ならば真似しきれません。
そのため、「本は目次しか読めない」「パソコンは買ってみたけどほとんど使用しない」といった使い方にボロが出ているのが目に見えます。
また、デジタルウォッチも買って半年くらいで装着しなくなっていました。



このように、真似したいけど真似しきれていない。表面的で中身スカスカの真似っぷりが伺えます。
部屋でご飯を食べる真似、怒る真似
夫と別居した私は実家に出戻りしたのですが、ちょうど母親との共依存を断ち切って衝突した時で、「大人の反抗期」を体験していました。
その時に母親の顔も見たくなくて(今もですけどw)、キレ気味で部屋にご飯を運ぶということをしていました。
すると後日、母親が機嫌が悪くなった時に私と全く同じことをしだしたのです・・・!
今までそんなことしたことないくせに、なぜ・・・?と感じました。


ペットボトルで飲料を飲む・お酒を飲む真似
ペットボトルで飲料を飲む真似は、母親ではなく昔の会社の女上司から真似されました。
ちなみにこの女上司も、自己愛性パーソナリティ障害を持っている人だったのです。
私は当時、ペットボトル飲料を買っていて、女上司は必ず水筒を持ってくるマメな人だったのですが、ある日ペットボトル飲料を買ってきました。
その時の飲み方が、私そっくりで(蓋をガッと開けてバーっと飲む癖がある)、なんだかすごくゾッとした覚えがあります。女上司はその一回で満足したのか、次の日からはまた水筒に戻っていましたが・・・。
そして「お酒の真似」は母親です。母親はお酒は全然飲めません。
なのに、私が出戻りして毎晩軽く晩酌していると、母親もお酒を買い出すようになって飲みだすようになりました。
しかし結局、お酒はもともと好きじゃないのか私のように毎晩飲めないから、次第に飲まなくなっていきました。
物件探しの真似
アルコール依存症の夫とは、過去2回ほど別居したことがあります。(今回で3回目の正直でした)
その際に二回ほど物件を契約したことがあるのですが、それを知った母親は、父と喧嘩した時に物件探しをしていたようです。
私が「夫とのトラブル→別居しよう→物件探しだ」という対策をとったため、母親もそれを真似すればいいと考えたのでしょう。
結局母親は物件契約こそしませんでしたが、しばらくは実家に不動産からの電話が何回かかかってきたことがありました。



細かい話が長くなってしまいすみません。私が母親(と女上司)に真似された体験談はここまでです。
ここまでのまとめ:自己愛性パーソナリティ障害の「真似」は、完全に相手をコピーしきれない。(例えば普段から読書しないのに、読書する人の完全な真似はできない)その際、スーッと飽きたかのように辞め出す。
自己愛性パーソナリティ障害の真似はミラーリング効果以上のものである


ミラーリング効果という心理をご存知でしょうか?
例えば、好きな人の口癖や持っているものなどを真似したいと思ってしまった経験は、実は誰しもあるものだと思うんです。
しかし、これは自己愛性パーソナリティ障害の人の真似とはレベルが全く違います。なので、「私も人の真似をしちゃったことがあるなあ」と思った人は、落ち込まないでくださいね。
自己愛性パーソナリティ障害の真似は、本人に「真似している」という自覚が全くないものです。
なぜ自己愛性パーソナリティ障害は人の真似をするのか?


自己愛性パーソナリティ障害の人が真似をするのはなぜなのでしょう?
ミラーリング効果のように、相手に好意を持っているから?答えはNOです。
私が実際に確認したことですが、自己愛性パーソナリティ障害の人は相手に好意がなくても、むしろ「相手に嫉妬すら覚える状態」であっても、相手の真似をすることがわかっています。
好意も嫉妬も、そして自分自身の無力感も全て混じってぐちゃぐちゃになった感情で真似をしてくるのでしょうか。
完全に理解することはできませんが、「自分というものが薄っぺらい」のでは、と思ってしまいます。



自己愛性パーソナリティ障害はその名の通り「自分しか愛せない」状態なので、「自分を見て!自分!自分!」となっているはずなのに、
「本当の自分がない」という状況は矛盾しています。
自分がないからこそ、相手を自分のものとして真似する。周りに回って最後にたどり着くのが「自分」。それが自己愛性パーソナリティ障害なのかもしれません。
自己愛性パーソナリティ障害は幼少期が終わっていない
自己愛性パーソナリティ障害の人が他人の真似をする理由の一つに、「幼少感から抜け出せていない」というものがあります。
私たちは子供の頃、おままごとやヒーローごっこなど「なりきり」を通じて、人のなんたるかを学んできました。しかし、大人になると「自分は自分」なので、人の真似事はしなくなります。
しかし自己愛性パーソナリティ障害の人は、この幼少感が抜けきれていません。そのため、人の真似をしてしまうのです。
また、人の真似をするということは、その人との「一体感」を求めているとも言えます。
一体感とは、お母さんと子供がへその緒で繋がっている状態を表します。
真似をする自己愛性パーソナリティ障害の人は、「お母さん」を無意識に求めているのかもしれないですね。(ここでいうお母さんは、真似される側の人のこと)
へその緒と一体感については別途記事にする予定です。少々お待ちくださいね。


自己愛性パーソナリティ障害に真似されない対策法は?


最後に、自己愛性パーソナリティ障害の人に真似されないためにも、また真似された後どうしたら良いかなどの対策法を書いて終わりにしたいと思います。
- 新しく買ったものを見せない
- 真似されたセリフや口癖を使わない
- 真似された趣味ややっていることを辞めない
こちらの3点をお話ししていきますね。
新しく買ったものを見せない
自己愛性パーソナリティ障害の人に持ち物を真似されないためには、新しく買ったものはいっさい見せないことが対策法となります。
自己愛性パーソナリティ障害の人に会う時は、いつもと似たような格好をするようにしましょう。
母親など身内の場合は、買ったものをバレないようにしたり、着替えを持って出て駅のトイレで着替えるなど(防犯に気をつけて)するしかありません。
自己愛性パーソナリティ障害の人はとにかく、標的の「新しく買ったもの」「新しいヘアスタイルやメイク」などに敏感です。ちょっと変えただけでもすぐに気がついてきます。
見せびらかしたら最後。「それどこで買ったの?」「同じのが欲しい!」と言われて真似されて終わりです。気をつけましょうね。
真似されたセリフや口癖を使わない
自己愛性パーソナリティ障害の人に口癖などを真似された場合、残念ながらその口調は「盗られて」しまっています。
その口調をしなくなっても、相手はその口癖をなんの悪気なく繰り返し使ってきますよ。すごく不快です。
だから潔く、その口癖を使わずに生きていく方がいいですね。
私の場合は堅苦しい喋り方が、自己愛性パーソナリティ障害の母親には響かなかったのか、あまり真似されることはありませんでした。
そのため、自己愛性パーソナリティ障害の人とは全く違う口調を目指してみるのもいいかもしれません。
真似された趣味ややっていることを辞めない
自己愛性パーソナリティ障害の人に趣味ややっていることなどを真似されると、不快な気持ちになりますよね。
でも、口癖などと違ってこちらは簡単に辞めない方がいいですよ。
なぜかというと、自己愛性パーソナリティ障害の人は口癖を真似るのは簡単だけど、趣味ややっていることを真似るのは結構大変だと思っているからです。
現に、今まで読書やパソコンをやってこなかった人が急にそれらをやりだすなんておかしいですよね。結局、続かないですぐに諦める場合が多いです。



だから真似された趣味ややっていることは、安心して続けましょう!
大概すぐに諦めてくれますよ。だって、中身がないまま表面上だけ真似してるに過ぎないんですから。(自分でも何やっているのかサッパリわかっていないんですよ)
最後に
自己愛性パーソナリティ障害の人の真似、めっちゃ嫌ですよね。
自己愛性パーソナリティ障害の人の真似は、幼少感から抜け出せなくて行っている場合が多いです。人と一体感を求めすぎて相手を「お母さん」とみなし、真似してしまうのですね。
ミラーリング効果の真似とは違って、狂気じみた真似さがありますし、本人は真似しているなんて微塵も思っていません。
だから、「真似しちゃった(やばいかな)」という背徳感もありませんし、「真似された側はちょっと嫌かもしれないよね」という共感能力も持ち合わせていません。



誰しも好意を持つ相手の真似をしてしまうことはよくあることなんですよ。けど、自己愛性パーソナリティ障害の人のそれは、全くレベルが違います。
真似する=自己愛性パーソナリティ障害とは限らないので、安心してくださいね。
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